5月23日、カラスが「カーカー」とけたたましく鳴いていました。その場所に行ってみると、カラスのヒナらしい姿が。ご神木のクスノキで生まれたであろうカラスのヒナは、力なく「カァカァ」鳴いて、きょろきょろしていました。巣を作ったクスノキから何かの拍子で落っこちてしまったようです。その日は満月だったので、よく覚えています。
参拝者からもヒナを心配する声や親ガラスがいらだって危ないなどご意見をいただきました。熊野さまのお使いが八咫烏。何日かしたら飛び立っていくと思いますので温かく見守りましょうと、説明しました。
何日かしたら飛び立っていなくなるだろうと思っていたのですが、なかなかいなくなりません。近づいてよく見てみると、生まれつきなのか、羽が短いようです。カラスは無邪気にぴょんぴょん飛び跳ねて、短い羽をばたつかせてはみるものの、飛べず。飛びたくても羽ばたけないカラスだったのです。
親ガラスは相変わらず上からいつも見守っていますが、攻撃されないことがわかったようで、掃き掃除にも親子でついて来るようになりました。参拝者にカメラを向けられてもポーズをとる余裕すら感じさせます。
勝手に「ガーコ」と命名しました。飛びたくても飛べないガーコ。飛べないのですから、これからもずっと熊野の杜にいることになるのでしょう。
ガーコは当社、熊野さまのお使い。不思議なご縁を感じます。お詣りの際はぜひ温かく見守ってあげてください。