「神饌調理所」を建設いたします。神饌(しんせん)とは神様にお供えする食事をいい、食事を調理する施設になります。
熊野神社と熊野幼稚園では、田んぼや畑の活動を教育の柱としてこれまで取り組んできました。熊野幼稚園での稲作活動は、20年前に一杯のバケツからはじまり、いまでは田んぼと畑を造成して活動を深めています。
神社で執り行なっている年中行事や祭りは、すべて季節に基づいています。その中枢を担うものが「稲作」「米」の文化です。日本人は古くから米を大切に育て、生きてきました。
大正15年に発行された『熊野神社社誌』によりますと『神饌講』の名があり、「祈年祭」と「新嘗祭」に参拝していたことが記されています。おそらく当社一帯は農家がほとんどで、そこで収穫された米や野菜をご神前に奉納し、祈年祭には豊作を祈り、新嘗祭には収穫を感謝していたものと推測いたします。
神饌調理所では田んぼや畑で収穫した米や野菜を子どもたちといっしょに調理して、いつもお守りいただいております熊野さまへ神饌としてお供えいたします。そのような活動を行なっている神社や幼稚園は他にはなく、神様が一番お喜びになられる、当社ならではの取り組みになります。
3月31日に地鎮祭を斎行し、完成は11月中旬の予定です。その間ご不便をお掛けいたしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
当社では「いまを未来につなぐ境内整備」を順次行なってまいります。この「神饌調理所」建設もこの境内整備事業の一つになります。先人たちが大切に守ってきた熊野さまの神域が、親から子へ、子から孫へと受け継がれますよう、安全に安心にお詣りができますよう整備してまいります。どうかご賛同を賜りご奉賛くださいますよう、謹んでお願い申し上げます。