選日のひとつに「天一天上(てんいちてんじょう)」があります。方角を司る十二天将(じゅうにてんしょう)の主将神である天一神(てんいちじん)が癸巳(みずのと み)の日から戊申(つちのえ さる)の日までの16日間、天一神は天上に帰るためこの期間は天一神の祟りがなく、どこへ出掛けるにも良いとされています。この16日間を「天一天上」といいます。
その年の最初の天一天上の初日を「天一太郎」といい、上吉日とされています。この日に雨が降るとその後の天候が良くないとされ、この日の天候によってその年の豊作と凶作を占いました。
天一神は、天と地との間を往復し、己酉(つちのと とり)の日に再び地上に降りて北東(6日間)より順次、東(5日間)、南東(6日間)、南(5日間)、南西(6日間)、西(5日間)、北西(6日間)、北(5日間)と四方を巡る44日間を「天一神遊行(てんいちじんゆぎょう)」といいます。天一神がいる方角に向かって事を起こす、その方角に真っ直ぐに進むことを避けた方が良いとされています。
また、天一神が天に帰る代わりに不浄を嫌う日遊神(にちゆうしん)が地に降りて家に留まり祟りをするので家をきれいに掃除すると良いとされています。